届出の期限早見 — 戸籍と住民票で1日ずれます
計算ツール
基準日と届出の種類を選ぶと、条文にもとづいて期限を計算します。 期限が閉庁日に当たる場合の繰り延べも反映します。
同じ「14日以内」でも期限が1日ずれます
出生届も転入届も「14日以内」です。しかし期限は1日ずれます。 期間の起算方法が違うためです。
期間計算の一般原則は民法140条の初日不算入です。 ところが戸籍法には、次の特則があります。
第四十三条 届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する。
つまり戸籍の届出(出生届・死亡届)は初日を算入します。 住民基本台帳法にはこの特則がないため、住民票の届出(転入・転居など)は 原則どおり初日を算入しません。
| 届出 | 根拠 | 4月1日発生の場合 |
|---|---|---|
| 出生届 | 戸籍法49条+43条 | 4月14日(初日算入) |
| 転入届 | 住民基本台帳法22条 | 4月15日(初日不算入) |
1日の違いですが、期限ぎりぎりで手続きする場合には効いてきます。
死亡届の起算日は「死亡日」ではありません
死亡届についてもう一つ注意点があります。戸籍法86条1項は次のように定めています。
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内 (国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
起算日は死亡日ではなく「死亡の事実を知った日」です。 連絡が遅れて数日後に知った場合は、知った日から7日以内となります。
期限が閉庁日に当たったら
期限の末日が役所の閉庁日に当たる場合は、翌開庁日まで伸びます(民法142条)。 本ツールは土日・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)を閉庁日として扱い、 繰り延べが発生した場合はその旨を表示します。
ただし自治体によって窓口の取り扱いは異なります。 時間外窓口や休日窓口を設けている自治体もあります。
国外で発生した場合
出生・死亡が国外であった場合、期限は3か月以内に延びます (戸籍法49条1項・86条1項)。在外公館または本籍地の市区町村へ届け出ます。
期限を過ぎたら
期限を過ぎても届出自体は受理されます。 戸籍の記載は行われ、身分関係が失われることはありません。
ただし正当な理由なく遅れた場合、5万円以下の過料の対象になることがあります (戸籍法137条)。過料は行政上の秩序罰で、前科にはなりません。 また、届出を怠っていることを市町村長が知ったときは、 期間を定めて届出をするよう催告されます(同44条)。 気づいた時点で速やかに届け出てください。
届出に必要なもの
| 届出 | 主な持ち物 |
|---|---|
| 出生届 | 出生証明書(医師・助産師が記入。届書と一体)、母子健康手帳(届書への押印は任意) |
| 死亡届 | 死亡診断書または死体検案書(届書と一体)(届書への押印は任意) |
| 転入届 | 転出証明書、本人確認書類、マイナンバーカード |
| 転居届 | 本人確認書類、マイナンバーカード |
出生届・死亡届は、証明書と届書が1枚の用紙になっています。 医療機関で右半分に記入してもらい、左半分を届出人が記入します。
誰が届け出るか
届出義務者は法律で定められています。
- 出生届 … 父または母(戸籍法52条)。 やむを得ない場合は同居者、出産に立ち会った医師・助産師も届け出られます
- 死亡届 … 同居の親族が第一順位(戸籍法87条)。 同居していない親族、家主、地主、後見人なども届け出られます
実務上は葬儀社が死亡届の提出を代行することが一般的です。 その場合も届出人欄には親族が署名します。
どこに出すか
届出先には選択肢があります。
| 届出 | 提出先 |
|---|---|
| 出生届 | 出生地・本籍地・届出人の所在地のいずれか |
| 死亡届 | 死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれか |
| 転入届・転居届 | 新しい住所地の市区町村 |
| 転出届 | 旧住所地の市区町村(郵送・オンラインも可) |
里帰り出産の場合、出生地(里帰り先)で出生届を提出できます。 本籍地に戸籍が記載されるまで数日かかることがあります。
期限のない届出もあります
婚姻届・離婚届(協議)には期限がありません。 届け出た日が効力発生日になるためです。
ただし調停・裁判による離婚は、成立・確定から10日以内の届出が 必要です(戸籍法77条・63条)。この場合は期限があります。
一つの届出で終わらないことがあります
本ツールが示すのは、それぞれの届出そのものの期限です。 しかし実際には、一つの届出をきっかけに、別の期限つきの手続きが発生します。 とくに見落とされやすいのが次のものです。
| きっかけ | あわせて必要になることがあるもの |
|---|---|
| 死亡届 | 世帯主が亡くなった場合の世帯変更届(住民基本台帳法25条・14日以内)、 公的年金の受給権者死亡届、健康保険・介護保険の資格喪失手続き |
| 転入・転居届 | マイナンバーカードの住所変更、国民健康保険・国民年金の手続き、 印鑑登録(転出により従前の登録は消えます) |
| 出生届 | 健康保険の加入、児童手当の認定請求、乳幼児医療費助成の申請 |
これらは自治体や制度ごとに期限も窓口も異なり、本ツールでは扱っていません。 届出の際に窓口で「ほかに必要な手続きはありますか」と確認されることをおすすめします。 多くの自治体が、死亡・転入といった事由ごとの手続き一覧を用意しています。
期限より早く出せない届出もあります
期限は「いつまでに」を定めるものですが、 「いつから」にも制限がある届出があります。
代表的なのが転入届です。実際に住み始めてからでないと届け出られません。 引越しの予定日が決まっていても、事前に転入届を出すことはできません。 一方転出届は、転出をする前にあらかじめ届け出るものです (住民基本台帳法24条)。条文には「何日以内」という期間の定めがありません。
つまり転出は先に、転入は住み始めてから、という順序になります。 この点を取り違えると、窓口で受け付けてもらえずに二度手間になります。
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